有料老人ホームの入居に必要な費用アレコレ

有料老人ホームに入居し生活をしていくうえに置いて必要となってくる各種費用(入居一時金、月々の賃料他・介護保険料の目安など)について、「よくわからないっ!」といった方も多いかと思います。そこで、このページでは入居に係わる費用にどういったものがあり、また、どの程度の額面が必要になってくるのかを見ていきましょう。


【 目 次 】

1.費用(入居一時金、月額利用料)について

2.上乗せ介護費、横出しサービスについて

3.その他 雑費


1.)


●有料老人ホームの費用は、大きく次の2つで構成されています。

①入居一時金(前払金)


▶️入居する際に一定期間分の賃料を前払いするのに充当される初期費用のことです。

これは、平均余命などから一定の入居者が住み続けるであろう「想定居住期間」を各施設ごとに算出・設定し、その間の賃料や、介護費などを含めて前払いするという料金システムです。

入居一時金は比較的まとまった金額が必要になるため負担が大きい場合があります。しかし、『想定居住期間』を超える期間分の賃料も考慮して入居一時金に含めるため、その期間を超えて長生きしても、賃料の追加支払いは不要となる施設が一般的です。

また、こうした賃料の前払方式(入居一時金)を選択しない場合などは、別途「敷金」を入居一時金に含めて支払う必要がある施設などもあります。


②月額利用料


▶️賃料や食費、管理費、介護費用など、日々の生活費を月ごとに支払う費用のことです。

有料老人ホームの月額利用料は、主に「賃料・施設管理費・食費・水道光熱費・上乗せ介護費」などの項目によって構成されています。このうち、想定居住期間分などの賃料を入居一時金として前払いする場合、月々の賃料は不要となります。

また、施設管理費や介護費用などは基本的に毎月固定された料金となります。しかし、水道光熱費に関しては各施設によって異なり、施設管理費に含める施設もあれば、部屋ごとに実費請求する施設もあります。そのあたりの確認も行うように心がけましょう。※「賃料」については、①初期費用の中に全額含む場合と、②月額利用料に含まれる場合とにわかれます。

介護サービスを受けるのにかかる費用
介護サービスを受けるのにかかる費用(介護費用)には、介護保険の対象となる部分の自己負担額と、介護保険の対象外となる上乗せ介護費に大別されます。

上記のとおり、上乗せ介護費は施設ごとの定額で月額利用料に含まれるのが一般的です。


備  考


初期費用に関しては、老人福祉法により、短期解約特例や算定の根拠および返還金の計算式の明示、返還金の保全等が義務化されています。入居した
施設を想定居住期間に満たない期間で退去したケースでは、「初期償却」と「償却期間」の設定に応じてこれらが払い戻されることもあります。ですので、入居の際に契約内容をよく確認しておくように致しましょう。

例えば、入居時に入居一時金の一部「25%」などを初期償却費用として取り扱い、残りを一定の期間内で少しずつ償却していくスタイルを取り入れている施設が多数を占めています。

返還金制度について…償却期間内に入居者が途中で退居してしまった場合(死亡時も含みます)には、未償却分の金額が返還されることになります。


有料老人ホームで利用できる介護保険サービスは、老人ホームのタイプ(類型)によって異なります。

介護付き有料老人ホームの場合


『特定施設入居者生活介護』の指定を受けている介護付き有料老人ホームでは、介護職員が常駐しているため、施設の中で介護サービスを受けることが可能です。また、入居者は定額の自己負担分を支払うことになります。

【介護保険自己負担分の一覧表】

介護度 介護保険単位数
(単位/30日)
介護保険報酬
(円/30日)
自己負担額
(円/30日)
要支援1 5,400 54,000 5,400 
要支援2 9,270 92,700  9,270
要介護1 16,020 160,200  16,020 
要介護2 17,970 179,700  17,970 
要介護3 20,040 200,400  20,040 
要介護4 21,960 219,600  21,960 
要介護5 24,000 240,000 24,000

※上記の表では介護保険自己負担割合を1割、1単位10円で計算。地域によって1単位あたりの単価は変わります。


住宅型有料老人ホームの場合


基本的に介護職員は施設に常駐しておらず、施設自体が主体となって提供する介護サービスはありません。
入居者が介護サービスを受ける場合は、外部のサービス提供事業者と個別に契約し、訪問介護サービスやデイサービス、小規模多機能型居宅介護など、在宅介護サービスを受けることになります。

以下は在宅介護サービスを受ける場合の、利用限度額です。※利用限度額を超えてサービスを利用する場合の自己負担割合は10割になります。

介護度 利用限度額
(円/30日)
自己負担額
(円/30日)
要支援1 50,030 5,003
要支援2 104,730 10,473
要介護1 166,920 16,692
要介護2 196,160  19,616
要介護3 269,310 26,931
要介護4 308,060 30,806
要介護5 360,650 36,065

※換算率は地域や介護サービスによって異なるので、詳細は介護保険・地域別単位加算表をご覧下さい。


2.)


「特定施設入居者生活介護」の指定施設(特定施設)でも、自己負担額を超えて介護費用がかかってくるケースもあります。

●「上乗せ介護サービス(上乗せ介護費)」について

各有料老人ホームごとに、介護ケアをよりきめ細やかに提供するために、介護保険制度で定められた「要介護者3人に対して1人」よりも、手厚い人員配置をとっている施設などもあります。このような基準値の人員配置以上の手厚いサービスを受けるために発生するのが「上乗せ介護サービス(上乗せ介護費)」になります。

例えば、施設情報や運営規定などで「2.5:1」、「2:1」、「1.5:1」などと表記されているのがそのケースに該当し、国の定める基準以上に手厚い体制である分を上乗せして介護費用として利用者に請求します。

●「横出しサービス」について
有料老人ホームの出費のひとつとして「横出しサービス」と呼ばれるものがあります。これは「買い物代行」や「通院付き添い(規定回数以上)」など、利用する方にとっては必要とされているものの、その性質上、介護保険の対象外となっているサービスがそれらに該当しますこうした「横出しサービス」は、利用される方の全額負担になるため、どのようなサービスが該当するのかは施設側が詳細に情報を開示しています。

特に、多くの人にとって重要なのが通院付き添いで、施設によっては提携外の病院への送迎や付き添いは有料サービスとなっている場合や、近隣の病院であれば無料の場合などもあるため、事前によく確認しておくことが重要です。


3.)

有料老人ホームで日々を過ごしていくうえで、月々の「月額利用料」の以外に、様々な「雑費」が必要となってきます。

●考えられる雑費のイロイロ

日用品(歯ブラシや石鹸など)、嗜好品(お菓子・雑誌・書籍・衣類など)にかかる日常生活費、理美容代、電話代、介護保険外のサービス利用料、レクリエーション活動への参加費、病気になった際に必要となる医療費などが挙げられます。※これらは、入居者の生活スタイルなどによって変動してきますので、予めよく確認しておくと良いでしょう。

●おむつ代に関して…

介護保険施設では「おむつ代」などは介護給付に含まれますが、民間の介護施設では実費自己負担となります。

●万一のときに備えるための費用

病気や容体の急変、怪我などで入院や手術が必要となった場合は、当然その他の月額費用以外にコストがかかってしまうことになります。

●その他…

施設に医師が常勤していない場合は、提携している医療機関の嘱託医が健康管理を担当することになりますが、ここで入院をはじめとした、専門的な医療措置が必要であると判断された場合は、他の医療機関を受診することになる場合も多いです。これらにかかる薬代、往診料、入院費などの医療費は施設に入居している方の全額負担となるので、もしもの時に備えて、余裕を持った資金の準備をしておきましょう。

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